プロレス界の巨大な団体である「新日本プロレスリング」の11代目社長に、人気レスラーである棚橋弘至さん(47歳)が就任しました。2023年12月26日、東京で開催された就任会見で、新日本プロレスは2000年代に低迷しましたが、12年から「ブシロード」が親会社になり、プロモーション改革などで急速に回復しました。棚橋さんは19年ぶりにレスラー兼任社長に就任し、エンターテインメント業界の激しい競争に勝つための経営方針を示すために三つの「公約」を掲げました。
就任会見では、スーツ姿で登場した棚橋さんが「プロレスは(レスラーが)社長を殴れる唯一の競技」と冗談を交えながらも、「夢だった社長に就任してうれしい。身が引き締まる思いです」と述べました。
棚橋さんは1999年に新日本プロレスにデビューし、華麗な空中技とマイクパフォーマンスで人気を博し、IWGPヘビー級王者やプロレス大賞のMVPに4度輝いた実績を持ちます。また、大学に合格するなどの学業もこなし、「インテリレスラー」としても知られています。
棚橋さんは約1カ月前にブシロードのオーナーから新社長就任のオファーを受け、「現役としてまだまだ鍛え直したい」という思いもありながらも、「経営と現役を同時にやってこそ逸材」と受諾しました。
彼の公約の一つ目は、毎年1月4日に開催される東京ドーム大会を超満員にすることです。彼は「超満員のドームで花道を歩くのは、レスラーとしての誇りでもある。ぜひ、みんなに経験してほしい」と述べました。二つ目は、地方興行でのタイトルマッチを増やすことで、地方の熱量を東京に伝えたいとのことでした。
新日本プロレスは2000年代に低迷し、選手の離脱などで苦しい時期を過ごしました。棚橋さんは2006年からプロモーションに力を入れ、営業活動や地方巡業などで経営を立て直しました。
棚橋さんは「3年後理論」と称し、「少し先の未来を見る力が重要だと思っています。プロモーションの効果はすぐには現れませんが、じわりとプロレスの熱を伝えることで、6年間積み重ねたものが9年後に結果として現れる」と語りました。