ワルシャワ:ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、両国間の長年の緊張の原因であるウクライナ民族主義者による第二次世界大戦中の虐殺のポーランド人犠牲者の発掘について合意に達した後、水曜日にポーランドを訪問していた。ポーランドのドナルド・トゥスク首相官邸は、ゼレンシキー氏を早朝に歓迎し、現地時間正午(日本時間午後1時)過ぎに両者が共同記者会見を開くと発表した。
この訪問は、長年関係を緊張させてきた問題である発掘開始に関する進展をトゥスク氏が発表した数日後に行われた。ポーランドは現在、ウクライナが加盟を目指している27カ国からなる欧州連合の輪番議長国を務めている。
「ついに突破口が開かれた。UPAのポーランド人犠牲者の最初の掘り起こしに関する決定が出た」とトゥスク氏は金曜日、Xに投稿し、ウクライナ反乱軍に言及した。 「ポーランドとウクライナの文化大臣の良い協力に感謝します。我々は更なる決定を待っています。」
非政府組織である自由民主主義財団は月曜日、ウクライナで犠牲者の発掘作業を4月に開始すると発表した。
ポーランドは約3年前のロシアの全面侵攻以来、ウクライナを最も熱心に支援してきた国の一つだが、ポーランド人犠牲者が殺害されてから80年も経ってウクライナ国内の共同墓地に横たわっている問題は、多くのポーランド人の間にひどい恨みを残している。
また、ポーランドの多くの人々にとって引き続き重要な問題で進展を示そうとしているトゥスク氏にも圧力となっている。 5月の大統領選挙で同党の候補者が国家主義的な野党候補からの強力な挑戦に直面すると予想されているため、これは特に重要だ。
この問題はヨーロッパが戦争状態にあった1943年から44年に遡る。ウクライナ民族主義者は、ヴォルィーニやその他の地域(当時はナチス・ドイツ占領下でポーランド東部にあり、現在はウクライナの一部となっている)で約10万人のポーランド人を虐殺した。
村全体が焼き払われ、ウクライナ独立国家の樹立を目指していた国家主義者とその支援者らによって住民が殺害された。ポーランドはこの事件を大量虐殺とみなし、適切な埋葬のために犠牲者を掘り起こすことをウクライナに求めている。
推定1万5000人のウクライナ人が報復で殺害された。
第二次世界大戦時代のウクライナ民族主義者の一部は、ウクライナ国家としての闘争のため国民的英雄とみなされているため、この問題はウクライナにとってデリケートな問題である。
両国が問題解決に向けて動く中、2023年5月にウクライナ議会議長がポーランド議会で和解の言葉を述べた。
「国籍、人種、性別、宗教に関係なく、人間の命には同等の価値がある」とルスラン・ステファンチュク氏は当時ポーランドの議員らに語った。 「この認識を持って、親愛なるポーランドの友人の皆さん、私たちはあなたたちと協力し、それがどれほど妥協のないものであっても、真実を受け入れるつもりです。」