内藤哲也、2020年のスターダストプレスから先へ。
高橋ヒロム選手が獣神サンダー・ライガーさんを介錯し、新時代の“ジュニアのカリスマ”となっても、オカダ・カズチカ選手の“ライバル”としてSANADA選手が台頭しても、最初のパレハとしてお披露目された“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手が“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”を裏切ったとしても内藤哲也選手を抜いた印象は無かった。
だが、2021年。龍の巣窟から来た“快男児”がいよいよ“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”の序列を打ち破った。
2021年の新日本プロレスを背負い、「IWGP世界ヘビー級ベルト」の論争すらも受け止めた昇り龍。
まさか2018年から3年でここまでの結果を残すことになるとは。内藤哲也選手のスカウト能力に天晴れを送りたい気持ちである。
一方でこうも思う。
2016年以降、いや“スターダスト・ジーニアス”としてオカダ・カズチカ選手、棚橋弘至選手、中邑真輔選手と抗争を繰り広げていた時期から見ても、ここまで結果を出せなかった一年は無いのではないだろうか。
確かに2022年の幕開けはトップオブトップだった。だが、既に二冠戦および二冠王の意味については疑問視する声も上がっていた。
そして、飯伏幸太選手に敗れ、ベルトを2本同時に東京ドームで失った。
それ以降は「IWGP世界ヘビー級ベルト」誕生を巡る統一問題の時に「IWGPインターコンチネンタル選手権試合」を飯伏幸太選手に要求。
「俺は一度もこのベルトを欲しいなんて言ったことない」はずの男が白のベルトを本当の意味で発した瞬間になったというのが何とも皮肉な話である。
問題はその後だ。
「ニュージャパンカップ2021」はグレート-O-カーンに敗れ一回戦敗退。
「G1クライマックス31」は初戦で負傷し、勝ち点0。
逆転を懸けて臨んだ「ワールドタッグリーグ2021」は優勝候補の最右翼とされるも予選敗退。
確かにSANADA選手と「IWGPタッグ」を獲ったりなど魅せ場が全く無かったわけではない。
ただ、一年を通して中心に返り咲くことができなかった。
内藤哲也選手にとっては非常に悔しい一年だったように思う。